食料品

【サーティワン】連結決算への移行

2月10日にサーティワンの21年12月期決算の発表がありました。
12月決算なので、2021年1月1日~2021年12月31日の決算内容です。

決算と同時に、22年12月期は連結決算へ移行することが発表されました。
内容を見ていきましょう。

決算発表
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2268/tdnet/2083857/00.pdf

連結決算への移行
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2268/tdnet/2083863/00.pdf

特に断りのない限り、当記事で使用する有価証券報告書の抜粋は、直近で公表されている20年12月期決算(2020年1月1日~2020年12月31日、12月決算)のものになります。

会社概要

全国的に展開しているアイスクリームの有名チェーン店ですね。

日本ではサーティワンの名前で広く知られていますが、アメリカではバスキン氏、ロビンス氏によって創設された世界最大のアイスクリームチェーンである、バスキン・ロビンス社の社名がメジャーのようですね。

バスキン・ロビンス社と、日本の不二家が1974年に、当時のビー・アールジャパン社(現在のB-R サーティワンアイスクリーム社(以下、サーティワン))を設立し、合弁会社として運営を開始しています。

有価証券報告書

「B-R サーティワンアイスクリーム」という社名ですが、会社HPを見てみると、

・B-Rは、創業者であるバスキン氏、ロビンス氏の頭文字であること
・1ヶ月(31日)間、毎日違ったフレーバーのアイスクリームをお客様に楽しんでいただきたいとの願いから、サーティワンアイスクリームと名付けられたこと

ということがが分かりました。社名に思いが込められているんですね。

https://www.31ice.co.jp/contents/about/index.html

直近業績

次に業績を見ていきましょう。
直近4期分をならべて確認していきます。

21年12月期の有価証券報告書はこれから発行されますが、決算発表は2月10日にありました。このため、最新の決算は21年12月期の金額が分かります。
有価証券報告書の発行は、一般的には決算日の約3か月後(サーティワンは3月16日のようです)に提出されるため、タイムラグがあります。

■21年12月期:売上19,387百万円、営業利益1,184百万円、当期純利益778百万円
■20年12月期:売上17,598百万円、営業利益757百万円、当期純利益442百万円
■19年12月期:売上19,317百万円、営業利益515百万円、当期純利益439百万円
■18年12月期:売上20,086百万円、営業利益446百万円、当期純利益282百万円

コロナウイルスの影響が一番大きかったと思われる、20年は他の期に比べて、売上17,598百万円と落ち込んでいます。それでも21年は売上19,387百万円まで回復してきており、19年の売上19,317百万円を上回る金額を計上しています。

本業の稼ぎを示す営業利益、これに臨時的な要素を加えた最終的な利益を示す当期純利益、これらの利益はどうなっているかどうか。

なんと20年、21年ともに前年より順調に伸ばしています、コロナ禍にもかかわらず。
苦戦が強いられる会社が多いなか、どのような施策が取られたのでしょうか。

20年は、
・コロナ禍で店舗休業や時短営業があったので売上減少
・持ち帰り商品を訴求する販売戦略や、デジタル戦略等を講じて売上減少の幅を縮小
・売上原価はコストコントロールにより減少
・販売費及び一般管理費は、物流費、旅費交通費、会議費を大幅に削減
として、売上減少はあるものの、増益を達成しています。

有価証券報告書

21年は、今回の決算発表の際に公表された短信によれば、
・コロナ禍であったが、20年に比べ店舗休業が大幅に減少して、売上が増加
・持ち帰り商品を訴求する販売戦略は継続
・売上原価は生産体制の見直しやコストコントロールにより減少
・販売費及び一般管理費は、次年度以降の集客のための販促活動で増加
として、売上は増加して、コストコントロールなどが功を奏し、増益を達成しています。

21年12月期 短信

四半期ごとの業績推移

暑い時はアイスクリームを食べたくなりますよね。
サーティワンのお店に通りかかると、余計にそう思ってしまいます。

寒い時はどうかというと、、
それはそれで食べたくなる時があります。
寒いけど、魅力的なアイスクリーム。

季節ごとの売上はどうなっているか、見てみましょう。
コロナ禍より前の18年、19年の売上を確認します。

19年12月期 有価証券報告書

18年12月期 有価証券報告書

数字が並んでいるだけの上の表だけでは、なんとも傾向が分かりませんね。
四半期ごとにどのくらいの売上割合かを整理しましょうか。

19年

■第1四半期(1~3月):売上3,785百万円、年間売上に占める割合20%
■第2四半期(4~6月):売上4,891百万円、年間売上に占める割合25%
■第3四半期(7~9月):売上5,811百万円、年間売上に占める割合30%
■第4四半期(10~12月):売上4,831百万円、年間売上に占める割合25%

18年

■第1四半期(1~3月):売上4,307百万円、年間売上に占める割合21%
■第2四半期(4~6月):売上5,072百万円、年間売上に占める割合25%
■第3四半期(7~9月):売上5,825百万円、年間売上に占める割合29%
■第4四半期(10~12月):売上4,882百万円、年間売上に占める割合25%

いかがでしょうか。
だいぶ見やすくなったと思います。

18年、19年ともに夏場の7~9月が最も売上が大きく、年間売上の30%程度を占めています。逆に最も少ないのは冬場の1~3月で、20%程度になっています。

7~9月にかけて一番売れているのは、予想がつくと思います。ただ1~3月の売上もそこまで落ちておらず、冬場も需要がかなりあることをうかがえました。

連結決算への移行

今回の決算発表では、22年12月期から連結決算へ移行されることが発表されました。これまでは国内の店舗経営を行うサーティワン社のみの単独決算でした。

20年3月にハワイでの運営を行う31 Aikalima LLCを設立しています。ちょうどコロナウイルスの影響が出始めたころですね。

20年、21年も会社はありましたが、売上規模も大きくなく、連結決算をしなくてもそれほど影響が無かったことから、連結決算をしていませんでした。会社を設立してから約2年ほど経ってコロナウイルスの影響も緩和されてきて、売上も大きくなってきたようです。

適時開示資料

売上については、20年12月期(3月会社設立)は159千米ドルだったのが、21年12月期は6,276千米ドルとなっています。1ドル=110円と仮定すると、日本円で690百万円となりますね。

20年から21年にかけて1年経って、売上が約40倍となっており、コロナウイルスの影響はあった中でも売上を伸ばしてきているのが分かりますね。

適時開示資料