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【レアジョブ】スピーキングテストによる事業拡大の状況を読む

2月14日にレアジョブで22年3月期の第3四半期の決算発表がありました。
内容を見ていきましょう。

当記事で引用する決算関連資料
21年3月期 有価証券報告書
21年3月期 決算説明資料
22年3月期 2Q四半期報告書
22年3月期 3Q決算説明資料

3月決算(決算期間:4月1日~翌年3月31日)の会社です。
当記事で使用する金額は、百万円未満を切捨てています。

会社概要

主な事業はオンライン英会話で、業界最大手の会社です。

英会話の学校は昔から数多くのスクールが存在しています。
近年オンライン学習の普及により、その場に生徒と先生が居なくても、遠隔地からオンラインで英会話ができるということで人気を博しています。

従来型のスクールだと、生徒が何人か集まったグループに対して先生が1人というのが多かったかと思います。個別指導があっても、先生の人件費がかかるため、受講料が割高という状況でした。

レアジョブのようなオンライン英会話は、日本より安い人件費で現地のフィリピン人などを先生として迎え入れることで、習う側にとって安い授業料でマンツーマンで指導を受けられるというメリットがあります。

主流であった教室型に比べ、オンライン英会話の市場は、まだ規模が小さいため、現在のところ、かなりの成長を遂げています。レアジョブがその一翼を担っていますが、時代のニーズにマッチしたサービスであることが分かります。

21年3月期 決算説明資料 p.48

 

沿革を簡単に見ていきましょう。

21年3月期 有価証券報告書 p.5

2007年に設立し事業開始したばかりで、とても若い会社です。
その後時代のニーズにマッチしたサービス提供を行い、順調に成長していき、苦労はありながらも2014年にマザーズ上場を果たしています。

2016年にはユーザー数が50万人を突破しています。
2016年に大阪支社(現:西日本支社)、2017年に名古屋支社(現:中日本支社)を設立し、事業拠点を着実に拡大させています。

そして2020年には、さらなる企業価値向上とグループビジョンの実現に向けて、マザーズから市場第一部へ市場変更を行っています。

まだ設立してから15年弱しか経っていないものの、相当なスピードでここまで事業拡大してきたことが分かりますね。

なお、2015年に三井物産、2016年に増進会ホールディングスと業務提携を行っています。

直近の2021年9月末においても、両社はレアジョブの大株主に名を連ねており、現在も提携が続いていることが分かります。

22年3月期 2Q四半期報告書 p.6

事業拡大の状況

業績を見ていきましょう。
直近4期分の連結業績を並べてみました。

■18年3月期:売上2,968百万円、営業利益130百万円(売上高営業利益率4.3%)、親会社利益42百万円
■19年3月期:売上3,639百万円、営業利益178百万円(売上高営業利益率4.8%)、親会社利益124百万円
■20年3月期:売上4,512百万円、営業利益446百万円(売上高営業利益率9.8%)、親会社利益205百万円
■21年3月期:売上5,331百万円、営業利益669百万円(売上高営業利益率12.5%)、親会社利益391百万円

まずは売上ですが、毎年順調な成長を継続しています。
毎年、対前年で20%程度の売上が増加しています。かなりのスピードですね。

利益についても、売上増加の影響があって、順調に増えています。
売上に対する営業利益の割合である売上高営業利益率についても、毎年改善がされており、21年3月はついに2ケタの12.5%となりました。

レアジョブには、大きく個人向けと法人向けのサービスがあります。
それぞれ状況がどうなっているか、21年3月期の状況を見てみましょう。

21年3月期 決算説明資料 p.30

個人向けについては、会員数の増加によって、順調に売上が増加しています。

具体的には、
・マーケティング活動の強化
・新型コロナウイルスの拡大による在宅時間の増加
・英語学習ニーズの高まり
などの要因が相まって、会員数が増加したとしています。

英語学習に対する需要は以前から継続してあって、コロナ禍をうまく味方につけて、オンラインならではの在宅でレッスン受講できるという強みを見せた形になりました。

法人向けについても、個人向けの成長率ほどではないものの、導入企業数の増加によって、前期に比べて10.7%増収という高い成長率を出しています。

スピーキングテスト導入による影響

では最後に足元の22年3月期の3Q(第3四半期決算)を確認していきましょう。

■21年3月期3Q:売上4,019百万円、営業利益607百万円(売上高営業利益率15.1%)、親会社利益361百万円
■22年3月期3Q:売上4,132百万円、営業利益290百万円(売上高営業利益率7.0%)、親会社利益186百万円

2期分を比較して、いかがでしょうか。

先ほど見てきた4期分の業績からすると、
・売上が22年3月期3Qは4,132百万円となっていて、前期より増えているものの、成長率が減っている
・増益傾向が一転、減益となっている
となっている点が気になるところです。

 

まずは、売上から見ていきましょう。

22年3月期 3Q決算説明資料 p.7

先ほど見た形式と同じく、個人向けと法人向けの売上が分かれた表になっています。

売上を前期と比較した場合、
・個人向けは0.7%増加
・法人向けは7.7%増加
となっており、21年3月期とは異なって、22年3月期の3Qは、法人向けの方が売上成長率が高くなっています。

これまで順調に推移していた個人向けの増加率が、今までに比べると低いため、売上全体としては成長率が鈍化しているようです。

法人向けの順調な要因を見ていきましょう。

21年3月期 有価証券報告書 p.10

レアジョブは21年3月にプロゴスという子会社を設立しています。

プロゴスは、PROGOSという実践的なビジネスシーンを踏まえた英語スピーキング能力を測定できるテスト運営を始めています。幅広く仕事でつかえるスピーキング力を測れるシステムのようですね。

22年3月期 3Q決算説明資料 p.4

開始し始めたサービスですが、22年1月時点で112万回以上の受験申込があり、また、累計780以上の大企業や大学での導入が進んでいるようです。

法人向けの売上としては、このPROGOSの人気などにより、売上好調のようです。
新たな市場ですから、今後の成長がどうなっていくのか、興味があるところですね。

 

営業利益については、22年3月期3Qは290百万円と減益になっていました。
決算説明資料を見ると、法人向け事業の成長のために、戦略的にコストが投下されているようです。

22年3月期 3Q決算説明資料 p.10

特に販管費(販売費及び一般管理費)が前期より増えており、
・その他販管費が、法人体制強化による採用関連費用と、エンジニア外注費の増加
・広告宣伝費が、個人事業向けの広告宣伝費積み増し
・人件費が、法人営業を中心に従業員数増加
を主な増加要因としています。

法人営業については、人員を積極的に増やしており、先ほど見てきたPROGOSなども含めて、大きく見込める成長事業であり、今後期待される分野であると考えていることが読み取れます。